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春の装い、あなたの足は大丈夫?

こんな悩みを持っている女性は多いはずです。注意深く他人の足を観察すると、10人に 4人の割合で下肢の静脈が蛇行してこぶのように膨らんだ下肢静脈瘤といわれる状態を簡 単に見つけることができます。

●血液の循環と下肢静脈瘤
 血液は私たちの体内を循環していますが、この血液の流れている器官が血管と呼ばれる管 で、おおまかには動脈と静脈があります。動脈はポンプである心臓から送り出された血液 を全身に届けるパイプで、静脈は全身に送られた血液を心臓に戻すためのパイプです。 人間の足では、心臓の力で送り出された血液が動脈を通って足の隅々にまで送られます。 この血液は皮膚や筋肉などの組織に酸素や栄養を送り、二酸化炭素や老廃物を集めて静脈 に帰ってきます。下肢の静脈に入った血液は、重力に逆らって足から心臓に向かって昇っ てこなければなりません。
 この際、大切な役割するのが静脈内の弁と下肢の筋肉です。
静脈瘤は、この静脈内の弁が血液を逆流させないように働いていたものが、その機能を失 い血液が下方へ逆流・うっ血を起こしたために、正常な血液循環が行えなくなった病気で す。血液の逆流による静脈内の圧の高まりと血液が溜まってしまうために、静脈は太くな ったり蛇行したりします。

●静脈瘤の症状
下肢の静脈の蛇行や拡張がひどくなると以下のような症状が見られます。

 @ 静脈の拡張に沿って痛みが出る。
 A 足全体が重くなる。
 B 足が疲れやすくなる。
 C 足がむくむ。
 D 下腿のこむら返りが増える。
 E 静脈瘤の周辺に皮膚炎が起こる。
 F 皮膚炎を繰り返すうちに色素沈着や潰瘍を形成する。

特に、長い時間立っていた後・夕刻・夏の暑い時期に症状は重症化します。 ●静脈瘤になり易い人
静脈瘤の原因はまだはっきりとは分かっていません。でも以下のような人に多く見られます。

@ 30歳以上の出産経験のある女性
A 立ち仕事に従事している人
B 血縁のある人に静脈瘤がある人
C 妊娠中の人
D 太り過ぎの人

●静脈瘤の治療
 下肢静脈瘤は慢性の良性の病気で急に命に関わることはありません。過度の心配は不要ですが、治療しない限り徐々に進行していく病気です。
静脈瘤の治療には@圧迫療法A硬化療法B手術療法があります。それぞれの治療には利点と欠点があるので、症状・静脈瘤の程度・形や部位によって使い分けることが大切です。

@ 圧迫療法:弾性ストッキングや弾性包帯で下肢を圧迫し、静脈のうっ血や逆流を防ぐ  治療法です。圧迫するだけで足のだるさ・重さ・痛みはとれ、皮膚の症状も軽くなる安全で簡単な方法ですが、圧迫している時しか効果がなく永続性のないのが欠点です。  軽症の下肢静脈瘤では、弾性ストッキング(治療用)の着用だけでも症状の軽快をみたり、また手術治療と合わせて実施される基本的な方法です。

A 硬化療法:静脈内に硬化剤と呼ばれる薬物を注射し、その後を数日圧迫して静脈瘤を癒着・硬化させ瘤を消失させてしまう治療法です。この方法は比較的簡単で通院にて治療が可能で、傷跡も少なく美容的にも優れていますが、重症の場合は適応がなく再発率も手術に比べて高いため、最近では局所麻酔の手術と組み合わせて実施されています。また硬化療法も健康保険が適応になっています。
B 手術療法:小さな切開(2〜3cm)を股の付け根と足関節の内側におき、大伏在静脈を引き抜く手術が一般的です。昔からある治療法で再発率は10%前後と安定したものです。外科で実施する手術としては軽くて危険性の少ない手術ですが、やはり入院して全身麻酔か腰椎麻酔をかける必要があります。最近では手術後の神経痛症状を予防する意味から、局所麻酔で逆流血管を結さつ(縛る)する低侵襲手術が増えてきています。

いずれにしても、下肢静脈瘤の診断・治療には専門的な知識と技術が必要です。足の血管 の膨れが気になる方は血管外科専門の医師の診察をお勧めします。


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