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メガネはいつから必要?

 現代っ子は近視が増えていると言われています。確かに学校検診などの結果から近視の子供たちが増えています。これには社会の変化が影響していると考えられています。大昔は、誰よりも早く遠くの獲物を見つけ、その獲物を捕まえることが生活の糧でした。しかし近年では、日本からは地球の裏側にある南米のことでも、地球から遠く離れた月の表面でも、電波や望遠鏡を使えば身近にリアルタイムに見ることができるようになりました。簡単に言えば、遠くのものを見るための視力は必要なくなってしまったということです。それよりは、近くの本を読んだり、勉強したり、テレビやパソコンの画面を見ることの方がより重要になって来たということです。近代国家における人間の社会への順応・適応と言えるのではないでしょうか。
 子供が近視になってしまったときに、親から一番多く質問されるのは「近視になって遠くが見づらくなってきたときに、いつメガネをかけた方が良いのか?」ということです。メガネが必要な時期は、黒板の字が見えるか見えないかがそのポイントになります。視力では0.6くらいでしょう。ちなみに運転免許に必要な視力は0.7以上です。
 学校では視力検査を毎年行いますが、そのときの視力が目安になります。視力が悪いと学校から眼科専門医を受診するようにとの受診勧告書が出されますので、眼科専門医を受診し眼を精密検査します。学校での視力検査では視力が0.8だったという場合に、眼科で正確に測定すると、裸眼視力0.3、矯正視力1.2×−1.50D(近視)ということが良くあります。これは学校での視力検査のときに目を細めて見ているからです。 視力の悪い人ならお分かりでしょうが、目を細めてみると少しはっきり見えるので視力検査のときにも目を細めてみてしまうのです。この人の場合は、視力が0.8ではなく正確には裸眼視力が0.3ですからメガネが必要な眼ということになります。目を細めて物を見るのは、ハッキリする代わりに眼が疲れますし、目付きが悪くなりますので注意して下さい。
 視力が悪いのは近視とは限りません。乱視や遠視のこともあります。特に遠視の場合には視力が良いことが多いので、学校での視力検査では発見され難いのです。近視は遠くが見えない代わりに近くは見やすい目なので生活上問題はありません。しかし遠視は、先ず発見が遅れるうえに、近くを見るときに人の倍も調節力を働かせる必要があります。だから大変疲れやすい眼ということなのです。勉強していても本を読んでいても疲れてしまうので根気がなくなったり、飽きっぽくなってしまったりします。成績が落ちてしまったとい(挿入)う例もあります。学校の検査では視力が良いのに、勉強しているときに目をこすったり、しかめっ面をしたり、眉間を抑えたり、頭を痛がったり、若いのに肩凝りしたりするときには遠視かも知れませんから、眼科専門医を受診して検査した方が良いでしょう。弱い度の遠視の人でも、遠視のメガネをかけたら頭がすっきりして目の疲れがなくなったということは我々眼科医でもよく経験します。
 乱視はない人のほうが少ないくらいで、正確な検査をするとほとんどの人に乱視はあります。ただメガネに乱視の度を入れるかどうかは別問題です。乱視があるのにメガネに乱視の度を入れないと視力を出すために近視の度を強くし過ぎてしまい、過矯正のメガネを使わされた結果、目の疲れを訴える人は結構多く見受けられます。この場合のほとんどが眼鏡屋で合わせたメガネを使用しています。ご自分の眼を守るためにも、眼鏡処方は眼科専門医で受けて下さい。
 「近視が進まないようにするためにできることはないか」と学校保健委員会のときに質問されます。私は@勉強をしないA本を読まないBテレビを見ないC暗くなったら寝て、明るくなったら起きる、要するに原始時代の生活をすれば良いのです、と答えます。現代社会では無理なことは承知で言っているのですが、それを少しでも実践するためには、@本と目との距離を30〜40cm離すA続けて近くを見るのは連続1時間を越えないB部屋全体を明るく手元にも明かりをつける、この三原則を守ることが重要です。本と目の距離を離すには背筋を伸ばして姿勢を正しくすること、そのためには鉛筆の持ち方から直さなければなりません。連続1時間を越えない近業は、本を読むだけでなく、テレビゲームやコンピュータの使用にも当てはまります。子供さんだけでなく、社会人も仕事をするときに思い出してください。一生涯使う目を大切にしましょう。



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