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どう防ぐ? 新型インフルエンザ

 新型インフルエンザに関する報道が、東南アジアを中心に世界中から発信されています。日本医師会では、本年5月12日に「どう防ぐ新型インフルエンザ」と題して市民公開講座を開催いたしました。今回は、感染症担当の日本医師会・飯沼雅俊常任理事に、新型インフルエンザについてお話しを頂きました。
 インフルエンザウイルスは、感染力が強く、病原性が高く、突然異変を起こしやすい、などの特徴があります。新型インフルエンザとは、過去数十年間に人に感染を起こしたことのないタイプのインフルエンザウイルスが、ヒトとヒトとの間で感染して流行を起こすことで、10年から40年の周期で出現するといわれています。
 インフルエンザには、A型、B型、C型の3種類があり、B型、C型インフルエンザウイルスは人だけに感染しますが、A型インフルエンザウイルスは144種類もの異なった型があり、現在ではこのうち2種類のA型インフルエンザウイルスがヒトとヒトとの間で感染し、普通のインフルエンザとして流行しています。
 これまでのインフルエンザの世界的大流行(パンデミック)は、すべてA型で、トリ由来ウイルスによるものであり、1918年(大正7年)のスペインインフルエンザ(H1N1型、国内で約39万人死亡)、1957年(昭和32年)のアジアインフルエンザ(H2N2型、国内で約78人死亡)、1968年(昭和43年)の香港インフルエンザ(H3N2型、国内で約2000人死亡)などが知られていますが、新型インフルエンザは、いつ出現するか予測できません。WHO(世界保健機関)によると、4月11日現在、鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒトへの感染が291例、そのうち171人の死亡者が報告されています。
 都市部への人口の集中、飛行機などの高速大量輸送機関の発達などから、発生すると世界的な、時間をおくことない大流行、いわゆる"インフルエンザ・パンデミック"を起こすと考えられています。これにより、医療機関のキャパシティーを超える患者が発生したりライフラインの維持に必要な人材の確保が困難になるなど、被害と社会的影響の甚大さは想像を絶するものがあり、社会の秩序の維持が困難になることも予想されています。
 国においては、全人口の25%が感染することを前提に、予防・治療薬の備蓄、ワクチンの開発などを進めています。日本医師会治験促進センターでも治験を行ったプレパンデミックワクチンの製造は、まもなく許可される見通しですが、ワクチン候補のウイルス株が分離されてからワクチンができるまでには1年程度かかるとされており、パンデミックワクチンでの二次波の予防は難しいとも考えられています。  このため、新型インフルエンザの予防には絶対的なものはありません。外出を控える、十分な休養を取る、バランス良く栄養をとる、手洗いをする、うがいをする、室内の換気や乾燥を防ぐ、マスクを使用するといった一般的な感染症予防対策が大切になってきます。また、咳が出たらマスクをするというエチケットも重要であり、せき・くしゃみをしている人にはマスクの着用を促す、口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ、1m以上離れてもらい、鼻汁、タンなどを含んだティッシュは直ぐに蓋付きのゴミ箱へすてるなども大切になります。
 このような状況をふまえ、家庭での新型インフルエンザ対策として、マスク、塩素系漂白剤、消毒用アルコール、保冷剤、氷枕、体温計、解熱剤、鎮痛剤、スポーツ飲料、糖尿病・高血圧などの持病のある方は常備薬を備えるなど、自宅療養できる準備を常日頃から行っておくことが必要です。さらには、携帯ラジオ・テレビ、カセットコンロ、ボンベ、トイレットペーパー、ティッシュ、生理用品、紙おむつといった日用品や、米、乾麺類、レトルト食品、冷凍食品、ミネラルウオーター、缶詰などの長期保存可能な食料を各家庭で準備することも心がける必要があります。


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