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「肥満はなぜ悪い」
肥満には「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型
肥満」の二種類があります。皮下脂肪型肥満は、
腰回りやお尻、太ももなどの下半身を中心に脂
肪が溜まりますが、動脈硬化などを起こしにく
い肥満です。内臓脂肪型肥満は、お腹がぽっこ
り出た体型で、内臓のまわりに脂肪が溜まる肥
満です。この脂肪は比較的溜まりやすいのです
が、運動や食事制限をすることで減らすことが
できます。
皮下脂肪の脂肪細胞は、脂肪を蓄えておくば
かりでなく、動脈硬化を抑制したりする種々の
生理活性物質を分泌しています。これに反して
内臓脂肪が増加すると、生活活性物質の分泌異
常が起こり、脂質異常や高血圧、高血糖などが
起き、動脈硬化が進んでしまいます。これが今
話題の「メタボリックシンドローム」(内臓脂
肪症候群)です。肥満、高脂血症、高血圧、高
血糖の四症状が揃ったときには、「死の四重奏」
などと怖いことが言われています。
それでは内臓脂肪を増やさないためにはどう
したら良いのでしょう。まずは運動と食生活の
改善が必要です。食生活では、砂糖などの過剰
摂取を控え、食物繊維を多く取ることが必要で
す。また魚に多く含まれるEPA(エイコサペ
ンタエン酸)や低脂肪・でんぷん質食が内臓脂
肪の増加を防ぐことが知られてきました。これ
らを満たす食事は、ご飯を主食とし、魚、野菜、
大豆たんぱくなどで献立された日本食がぴった
りです。バランスの良い日本食の良さを再認識
し食生活を改善しましょう。
子どもの肥満が増えています。子どもの肥満
の三分の二は成人の肥満につながってしまいま
す。また糖尿病や脂質異常などの合併症を
伴う肥満症が増えています。これには現代の食
生活や生活習慣が大きく影響しています。体を
動かさない生活に加えて、ジャンクフードとい
われる高脂肪、高カロリー食品の氾濫、そして
これらの食品の入手が容易にできるようになり、
エネルギーの過剰摂取がその背景に挙げられま
す。また、親が子どもにお小遣いを与えて「好
きなものを食べなさい」という生活習慣から、
食習慣の乱れが起こり、肥満を引き起こしてい
ると考えられます。
最近の研究では、子どもの肥満は動脈硬化を
起こしやすく、メタボリックシンドロームから
起こる動脈硬化性疾患は、子どものときから徐々
に進行することがわかってきました。
動脈硬化は、コレステロールなどが動脈の内
側に付着し、血管壁が厚く硬くなり、血液の流
れが悪くなってきた状態です。その結果、脳の
動脈がつまってしまったのが「脳梗塞」、脳の
血管が破れて出血したのを「脳出血」、心臓の
動脈が狭くなって心臓の筋肉が酸素不足になっ
たのが「狭心症」、心臓の冠状動脈がつまって
心筋が壊死したものを「心筋梗塞」、動脈がも
ろくなってコブのように膨らんできたのが「大
動脈瘤」です。
メタボリックシンドロームは普段からの不健
康な生活習慣の蓄積から起こる病気であること
を自覚し、食事、飲酒、運動、喫煙には十分注
意をして、ご自分の身体はご自分で守って、健
康で長生きして下さい。
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