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「新型インフルエンザとは?」
高病原性鳥インフルエンザとは「H5N1」
と名付けられた毒性の強い鳥インフルエンザで
す。このウイルスは人には感染しないと思われ
ていましたが、病気の鳥や死んだ鳥にふれた人
などが感染し、1997年に香港で人への感染
が初めて確認されました。鳥インフルエンザの
宿主はカモなどの水鳥ですが、不思議なことに
この水鳥はインフルエンザを発症せずに元気に
世界中を飛び回っています。
厚生労働省では「過去10年から数十年の間
に人に感染したことのないタイプのインフルエ
ンザが、人と人との間で感染して流行を起こす
状況」のインフルエンザウイルス感染症を「新
型インフルエンザ」と規定しています。これは
過去10〜40年周期で出現しており、191
8年のスペインインフルエンザ、1957年の
アジアインフルエンザ、そして今でも流行して
いる香港インフルエンザの三つが該当します。
いずれも鳥由来のA型インフルエンザです。
インフルエンザウイルスの特徴は、感染力が
強いこと、病気を引き起こす力が強いこと、そ
して鳥から人へ、人から人へと感染してゆくう
ちに変異しやすいことです。毎年流行している
インフルエンザは小変異のために既存のワクチ
ンが効く可能性があります。しかし大変異を起
こした場合には、今までのワクチンや免疫が効
かず、人はそのウイルスに対して無防備になっ
てしまいます。
鳥インフルエンザウイルスが新型インフルエ
ンザウイルスに変化するのは、豚は鳥のインフ
ルエンザにも人のインフルエンザにも感染する
ことがあるため、両方のインフルエンザに感染
した豚の体内でウイルスの大変異が起こり、人
に感染しやすい新型インフルエンザが発生する
ことが考えられます。この他にもいろいろな発
生状況と人への感染ルートが考えられます。
WHOでは新型インフルエンザが流行したと
きを6段階のフェーズに分類しています。第1
段階は水鳥がウイルスを持っている状態。第2
段階は水鳥から他の鳥に感染している状態。第
3段階は鳥からまれに人に感染した状態で、こ
の段階でインフルエンザの封じ込め作戦が開始
されます。第4段階は新型インフルエンザが発
生して、人から人へ感染が始まった状態です。
そして人に広くうつり始まった状態が第5段階、
大流行が起きた状態(パンデミック)が第6段
階としています。現在の世界の状況は第3段階
です。
新型インフルエンザの具体的な症状はまだわ
かっていません。これまでの情報から想像する
と、感染力が非常に強いと思われます。ほとん
どの人が新型インフルエンザに対する免疫は持っ
ていませんから症状が重くなる可能性がありま
す。90年前のスペインインフルエンザの症状
を記載したカルテでは、突然の発熱、頭痛、せ
き、全身倦怠感と通常のインフルエンザと似た
症状のようです。ただ肺炎を合併した方が多く
いたようです。
通常のインフルエンザは、発病する半日ない
しは1日前からウイルスの排出が始まります。
そのために症状のないうち
にその方に接した方は感染
する可能性があります。新
型インフルエンザでも同様
のことが起きると考えられ
ます。
新型インフルエンザは飛
沫感染(通常のインフルエ
ンザも同様)ですから、予
防のためには外出を控える
ことが有効です。帰宅した
ときに石鹸での手洗いやう
がい、十分な休養、バラン
スの良い栄養摂取などで抵
抗力を蓄えておくことが必
要です。室内の湿度を保つ
ことも大切です。インフル
エンザに罹った方は人にう
つさないためにマスクをす
るのがエチケットです。ま
た自分を守るという意味で、
人からうつらないためにマ
スクをしましょう。
新型インフルエンザが発生しても、何年かす
るうちに人類に免疫ができ、普通のインフルエ
ンザと変わらなくなります。今大切なことは、
新型インフルエンザによる被害を最小限に留め
ることです。一人ひとりの対策も大切ですが、
行政を中心に新型インフルエンザ対策(感染症
危機管理)を立てておくことが大流行を起こさ
せないために最も重要なことです。
(日本医師会市民公開講座「どう防ぐ新型イ
ンフルエンザ」より)
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