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緑内障(青そこひ)って何?

 緑内障(青そこひ)は、昔から眼の怖い病気 として恐れられて来ました。一般的に「電灯の 周りに虹の輪が見える」「霧がかかって見える」 などの症状があると「緑内障」だと言われてき ましたが、これはさまざまなタイプの緑内障の うちのひとつに過ぎません。緑内障の分類につ いては後述します。
 緑内障は、わが国でも欧米でも失明原因の三 位以内に入っている重要な眼の病気です。緑内 障は中高年に多い病気で、さまざまなタイプが あり、特に慢性の緑内障では最初のうちには自 覚症状がまったくないことがほとんどです。自 覚症状が出てきたときは、すでに病状は進行し ており、視力が悪くなったり、視野(見える範 囲)が狭くなったりしてきます。残念ながら現 在の医学では、緑内障で失われた視力はもとに は戻りません。
 緑内障とはどのような病気なのでしょうか。 眼の中には房水という透明な液体が絶えず循環 していて、古くなった房水は隅角(排出口)と いうところから眼外へ排出されます。この房水 は角膜(黒目)、水晶体(レンズ)に栄養を送 るための液体であると同時に、眼の固さ(眼圧) を一定に保つという働きもしています。この機 能が正常に働いている眼では、眼球はぺしゃん こになることもなく、固くなり過ぎることもな く眼の固さを保っています。正しい空気圧のゴ ム毬のようなものです。ところが緑内障では、 この排出口からの房水の流出が悪いために眼球 内に房水がたまり過ぎて眼圧が高くなります。 眼圧が高くなると、視神経の障害を引き起こし、 視力低下や視野狭窄(暗点)などが起きてきま す。いわゆる空気の入り過ぎたゴム鞠のような もので、これが緑内障です。
 正常な人の眼圧は10〜21mmHgで、平均値は15m mHg前後です。眼圧は一日のうちでも高くなった り低くなったり変化します、また日によっても 違います。昼間は正常な眼圧でも、夜になると 高くなる緑内障もあります。
 視神経は眼からの情報を脳へ伝える大切な神 経です。視神経が侵されると眼からの情報が脳 へ正しく伝わらなくなり、視野に見えない部分 (暗点・狭窄)が現れます。緑内障が進行する と、視野の見えない部分が拡大し、遂には視力 も落ちてきます。さらに進行すれば失明に至っ てしまいます。
 緑内障にはさまざまなタイプがあります。前 述した隅角(房水の排出口)の状態が狭いか広 いかで分類します。隅角が狭いタイプの緑内障 は閉塞隅角緑内障といい、房水の出口である隅 角が狭いために流出が悪く(通過障害)なり眼 圧が高くなってくる緑内障です。物理的に隅角 が閉塞してしまい急激に眼圧が高くなってくる 緑内障は、はじめに述べたような症状が出現す るタイプで、急性隅角閉塞緑内障といいます。 激しい眼痛と頭痛とともに吐き気や嘔吐も起こ します。放っておけば失明に至る緑内障ですが、 現在では原因もはっきりしていますので早期に 適切な治療(点眼、内服、レーザー治療など) をすれば、眼圧を下げることができ、視力を回 復することができますので早期診断・治療が大 切です。
 隅角が広いタイプには、原発性緑内障という 原因不明の慢性開放隅角緑内障と、他の病気に よって引き起こされる続発性緑内障、生まれつ き隅角の発達が悪い先天性緑内障があります。 慢性開放隅角緑内障は、徐々に眼圧が高くなり、 初期には自覚症状はありません。視力低下や視 野異常に気付いたときにはかなり病状は進行し ています。このタイプには眼圧が正常で経過す る正常眼圧緑内障というものもあり、眼圧が正 常なのに視力低下、視野狭窄が起きてくる緑内 障です。なぜか日本人に 多いようです。
 続発性緑内障は、眼内の炎症や手術、怪我、 ステロイドホルモン剤の点眼、あるいは全身病 などが原因で、房水の流出が悪くなり眼圧が上 昇するタイプの緑内障です。
 先天性緑内障は、生まれつき隅角の発達が悪 く、隅角が正常に作られなかったために、生後 まもなく眼圧が上がってくる緑内障です。子ど もの眼はまだ軟らかいために、眼圧が高くなる と眼球全体が大きくなって角膜(黒目)も大き くなってきます(牛眼)。
 緑内障の治療は、眼圧を下げることです。点 眼薬と内服薬を使用して眼圧を下げます。最近 では点眼薬が進歩して、種々の効能の点眼薬が ありますので点眼薬だけ での治療も多くなりまし た。薬が効かない場合に は手術をしますが、最近 ではレーザーによる手術 が主流で治療成績も向上 しています。また緑内障 は生涯にわたっての管理 が必要ですから、病状が 安定したからといって治 癒したわけではありませ んから治療を止めてしま うと悪化してしまいます。 必ず眼科専門医による定 期的な診察を受け、指示 に従って管理・治療する ことが必要です。
 緑内障は早期発見、早期 治療が大切です。たとえ 眼圧のコントロールがで きたとしても、失われた 視力、視野はもとには戻 りません。しかし、病状 が進行してから発見され ても、そこから治療を始 めれば進行を食い止める こともできます。
 緑内障の早期発見は眼科でなければできません。 成人病健診や事業所健診で「視神経乳頭陥凹」 と指摘されたり、眼鏡やコンタクトレンズを作 ろうとする際には必ず眼科専門医を受診し、眼 圧検査や眼底検査などを受けることをお勧めし ます。
 眼にとっては「視力即生命なり」です。一生涯 使う眼を大切にしましょう。



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