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「海外での感染症を予防するために3」―動物(含昆虫)による感染症―
1、媒介動物との接触を避ける
海外(特に熱帯地域)には、動物によって
媒介される危険な感染症があります。予防接
種が有効な疾患もありますが、まずは媒介動
物と接触しないことが第一の対策です。
危険地域を旅行するときには長袖の衣類を着
用し、防虫剤、昆虫忌避剤、蚊取線香などを
有効に使用して下さい。
@マラリア:サハラ以南のアフリカ、インド、
東南アジア、オセアニア、中南米
世界では年間3〜5億人の罹患者と250万人
の死者があると推定されています。熱帯熱マ
ラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、
卵形マラリアの4種類があり、地域により流
行しているマラリアが異なります。夕方から
夜にかけて活動するハマダラカに媒介される
原虫症です。
予防は、夜間の外出は避け、昆虫忌避剤
(DDT製剤)が市販されています。夜間は
殺虫剤に浸した蚊帳や、蚊取り線香が有効で
す。予防薬もありますが、副作用もあり専門
医と相談をして下さい。
Aデング熱:インド、東南アジア、南米など
に多くみられます。都市部でもみられ、デン
グ熱ウイルスが蚊によって媒介されます。し
かも日中でも人間を刺すために、蚊に刺され
ない工夫が必要です。症状は発熱、関節痛や
背中の痛み、発疹などが見られます。ひどい
場合にはショック状態に陥り死亡することも
あります。予防薬はなく、蚊に刺されないこ
とが絶対です。
B黄熱:アフリカ、南米にみられ、人畜共通
感染症です。黄熱ウイルスが蚊によって媒介
され、致命率の高い疾患です。蚊に刺されて
から3〜6日後に高熱、頭痛、筋肉痛で発症し、
4〜5日で一旦解熱しますが、その後に再び発
熱します。腎不全、徐脈、黄疸、出血などが
出現します。感染の多い地域に旅行するとき
には必ず予防接種が必要です。
Cウエストナイル熱:アフリカ、アジア、欧
州、北米でみられます。1999年にはニューヨー
クで流行しました。蚊を媒介してウイルス感
染症です。もともとアフリカの風土病でした。
不顕性感染のこともありますが、約20%の人
は発熱、四肢の筋力低下や筋肉痛、痙攣や意
識障害といった脳炎症状、下痢、腹痛なども
みられます。症状はおおむね軽症です。有効
なワクチンはありませんので、蚊に刺されな
いことが最大の予防です。
Dペスト:南アフリカ、インド、中国南部、
北米ロッキー山脈、南米案です山脈地方など
でみられます。ペスト菌による感染症で、蚤
より感染します。傷口から感染する場合もあ
ります。またペスト患者からの飛沫感染もあ
ります。
感染後1週間以内に高熱・頭痛・全身のリン
パ腺の腫れや膿の形成があります。その後に
急激なショックや昏睡に移行し、急激な呼吸
困難や血痰を呈することもあります。抗生物
質の投与で治療が可能です。適切な治療をし
ないと高い致死率を示します。予防はネズミ
の駆除など衛生面の改善が必要です。予防接
種もありますが、副作用が強く、感染の危険
性が高い集団に限ります。
E毒ヘビやサソリ類に咬まれたときの応急処
置:毒ヘビ、サソリ類やムカデ類などの有害
動物による咬傷もあります。地域によって有
害動物の種類も違うので、現地の医療機関で
治療するのが最適です。ヘビに咬まれた場合
には、咬まれた部位より心臓に近い方を紐な
どで圧迫し早急に医療機関へ行って下さい。
ヘビやサソリの咬傷の治療に必要な抗血清は、
現地の医療機関においてあることが多いよう
です。念には念を入れて破傷風の追加予防接
種を受けることをお勧めします。
以上のように、旅行者は旅行先の状況によっ
てさまざまな動物や昆虫の媒介による感染症
が問題になりことがあります。早急に適切な
処置を行うことと、現地医療機関での検査と
治療を受けることをお勧めします。
(社団法人日本医師会発行「海外旅行必携
ハンドブック」より転載)
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