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「結核が増えている?」

 我が国の結核の罹患率は、順調に減少して きました。昔は大変はやっていて、昭和25年 までの日本の死亡原因の第1位でした。適切な 治療法が開発されてからは、患者数は減少し ていますが、今でも年間2万5,000人以上の新 しい患者が発生し、年間2,000人以上の人が命 を落としているという日本の重大な感染症な のです。
 平成18年の日本での結核罹患率は10万人対20. 6人となっています。ただ、欧米の罹患率が10 万人対5人前後である現状と比較すると依然と して高値であることは問題であります。また 我が国では高齢者ほど結核の罹患率が高いの で、免疫力が低下してくると再燃を起こして くるものと考えられます。
 結核の感染経路は一般的には気道であり、 感染者の咳、くしゃみなどによる飛沫(核) を吸入することにより感染します(空気感染)。 しかし結核に感染しても、すぐに発症するわ けではありません。健康で体力があれば、通 常は免疫機能が働いて結核菌の増殖が押さえ られますので、感染者の10〜20%が発病する 程度です。ところが栄養状態が悪かったり、 加齢とともに体力が衰えてきたりすると、結 核菌に免疫力が負けて発病してしまいます。 特に、高齢者、糖尿病、胃切除の既往、多量 喫煙、悪性腫瘍、人工透析、HIV感染症な どがあると発病の危険因子となります。
 初期症状はカゼと似ていますが、2週間以上、 咳や痰、微熱が続くような場合は、早めに医 療機関を受診しましょう。結核に感染してい ることが分からずに、職場や、家庭で菌を排 出していると、周囲の人たちに感染してしま いますので充分な注意が必要です。不特定多 数の人が集まる空間も、潜在的な危険性がな いとは言えません。特に最近では建物の機密 性が高く、電車も窓が開かないものが増えま した。このような空間では感染が連鎖的に広 がってしまう危険があります。重要なのは普 段からの個々人の意識です。定期健診を受け ることや、カゼのような症状が続いたら早め に医療機関を受診するということが、現代社 会のマナーであると考えてください。
 ご近所にかかりつけの先生がおられましたら、 まず受診してください。肺結核では、胸部単 純X線検査および喀痰の結核菌検査(塗抹、 培養)等の検査を行います。結核が疑われる 場合にはツベルクリン反応を行い、陽性であ れば治療の必要が出てきます。ツベルクリン 反応は、感染後1〜2カ月で陽転します。
 治療は基本的に薬で治療します。3〜4種類の 薬剤を服用する標準的な方式があり、通常6 カ月続けて治療します。病気の状態によって は外科的治療をすることもあります。喀痰塗 抹検査陽性の患者(排菌していると考えられ る)は、感染源隔離の目的で入院させます。
 入院期間は、菌陰性化までが原則です。患者 の状態が良くなり、排菌がなくなれば、退院 後の規則的な受診の見通しを確認した上で退 院となります。大切なことは治療を中断しな いこと、定期的に健診を受けることです。
 感染予防はBCGワクチンによる予防接種があり ます。平成17年以降は、ツベルクリン反応は 行わずに、原則生後6カ月までの児にBCGワク チンを接種することとなりました。しかし、B CGの結核予防効果は、10〜10数年いうところ であり、小児の結核予防には効果があります が、成人の結核に対する予防効果は高くない とされています。
 社会の中で、自分のためにも、周りの人のた めにも普段から定期的な健康診断を受けるこ とが重要です。住んでいる地域での住民健診 や職場での職員健診は、早期発見のために重 要な手段ですから、必ず健康診断を受けましょ う。



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