2005年
5月1日発行
No.110
糖尿病と脳疾患

 当院でも糖尿病の頻度は比較的多くみられます。他院で糖尿病を管理されている方、軽症のために食事療法だけ行なっている方、総合病院で糖尿病の基本方針が下されたか、または当院で比較的軽症と診断され投薬を当院で行なっている方等、さまざまです。
 インシュリン注射に関しては、他院にお願いすることで、当院では処方していません。
 糖尿病の方は全例U型糖尿病です。
 T型糖尿病は膵臓のインシュリンを産生するβ細胞が侵され、インシュリンが分泌されない状態になった場合です。
 U型糖尿病とはインシュリン分泌低下を主体とするものと、インシュリン抵抗性が主体で、インシュリンのみかけ状の不足を伴うものがあります。その他の原因による糖尿病も多々ありますが、多くの場合がU型糖尿病です。
 糖尿病といっても、常に尿中に糖が出るわけではありません。しかし食後まもなく血糖が上昇し、重症な方は血液中に長時間高い血糖が持続される場合があります。これが持続しますといろいろな合併症を生じます。
 眼底出血、腎不全、肝障害、さらには高血圧症が合併すると心筋梗塞、脳梗塞が頻発します。また、糖尿病は自覚症状がなくても、血管の病変が進行する場合が多いので注意が必要です。
40〜50歳台で、脳出血や脳梗塞が出現した方は多くの場合、アルコール多飲や糖尿病、高血圧の治療が患者さんの勝手な考えで不十分でありました。
 脳卒中の予防のために糖尿病とどう付き合っていくか、次回述べたいと思います。
(院長)