2006年
9月1日発行
No.118
肩関節周囲炎(五十肩)

 私の外来でも肩関節痛を訴える方が時々おられます。整形外科医でない私が記事を書くことは不適当かもしれませんが、私は15年前にこの疾患を経験し、完全に治癒するまで約1年を要しました。その体験も含めて肩関節炎(五十肩)について書いてみます。
 現在では内視鏡が発達し、これにより内部を観察出来るそうです。
すでに重症化していて、軽快困難な例では、肩峰下滑液包、腱板、関節包など広範な、複数の損傷が混在しているそうです。これらの名称の器官は関節の運動を支えている重要なものなのです。
ではどうしてこれらが発症するのでしょうか、 肩関節は人体の中でも最も大きな動きの範囲を有しています。関節脱臼も多く、負荷がかかり、酷使されているのです。年齢と共に、腱板や上腕二頭筋の腱などに老化による変化が生じ、小さな外傷などを契機として炎症が生ずると言われます。
 病状は主に三項目に分類されます。
1)痛みが強く、筋肉がこわばる時期
 明らかな原因もなく出現し、安静時にも痛み,夜間眠れないこともあります。肩ばかりではなく、頸部、背部、腕なども痛くなったりします、この時はステロイドの注射を関節内にします。
私も自分で出来ないため、整形外科医を受診し注射を受けました。非常に効果がありますが、回数は制限されます。
2)筋肉が単にこわばっている時期
 安静時や運動時の激痛はなくなります。しかし関節を動かそうとしても十分動かず、無理をしようとすると鈍痛がきます。理学療法を行ったり、少しずつ自分で目標を定め、肩関節の運動を毎日行います。
3)回復期
 疾病は消失するのですが、腱側の関節に比して制限があります。サポーター、使い捨てカイロなども用います。風呂に入って関節が柔らかい時にストレッチ運動などをします。あせって痛みのある時に行うと炎症が再発します。
(院長)