2007年
5月1日発行
No.122
骨粗鬆症の治療

 骨粗髪症は知らず知らずの間にしのび寄ってきます。骨組髭症は数年来、薬物治療が有効であると認められ、いろいろな薬物が開発されました。昨年、アレンドロネート(フォサマック)の週1回投薬についても充分効果があると認められ、発売されました。
この薬は今まで毎朝大量の水と共に服用するため、老人には比較的飲みにくいものでしたが、週1回の服用を当院でも処方した結果、患者さんに比較的好評のようです。
骨組髭症は女性に多く、閉経後進行する傾向がありますから、70歳位になると腰痛、背部痛が出現し、背部や腰部に変形が来ます。このような状態になる前に治療を開始することが理想といえますが、実際はほとんどの人が来院していないのが実情です。また、この治療は比較的早期に開始すべきですが、ただちに結果が出るわけではありません。粘り強く10年後の状態を患者さん自身が想定しつつ、日々の食事、適正な運動、良い姿勢を保つことも必要です。骨組髭症は決して薬のみで予防できると考えてはいけません。
また、不幸にも骨粗髪症が進行し、背部や腰の変形が出現してしまった方でも、骨組髭症の治療を受けることで落痛が改善され、骨密度も高まって、それ以上病気が進行することをくいとめます。転倒や自然に生じる腰椎の圧迫性変化、大腿骨頸部骨折を予防することとなります。
薬の服用を開始したら、ぜひ脱落しないようにお願いいたします。
骨粗髪症は年寄りの病気だと皆様は考えているかもしれません。特殊な場合ですが、出産後腰痛を訴え、検査の結果、腰椎の圧迫骨折が発見された例がありました。アンドロネート服用により骨密度改善があり、腰痛も消失したそうです。そのほか、原発性副甲状腺機能亢進症の方で、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、高カルシウム血症、骨吸収優位の骨代謝亢進が見られました。手術を希望せず、アンドロネード処方により改善しているそうです。また、高齢で前立腺手術後のホルモン治療で、高カルシウム血症と認められた方にもこの薬が有効で、男性にも適応があるようです。
(院 長)