1990年
7月1日発行
No.21

               

     交通事故と道路整備

交通事故の発生は、一般に交通量が少なければそれと同様に少ないと予想されます。しかし、それ以外に複雑な問題もからんでいます。本年二月に町田さんが自動車に接触して亡くなりました。自宅のすぐ前の道路、即ち当院の前の道に通ずる道路です。

実は以前から時々は気付いているのですが、この道すじはこの五〜六年、比較的他の道路に比べて重傷または死亡事故が多いようです。上に工業団地が出来たことが直接の原因かどうかわかりませんが、不気味な感じです。

工業団地から南へ・当医院に向かって坂を下ってみると、五代町の家並みの建てこんだ部分はS字カーブの連続です。折角良い気分で、工業団地前の広い道を下っても、いったんスピードをゆるめ、左右に充分気を配らなければ非常に危険な部分なのです。大部分の通行の人々は、自動車の人も、歩行者の人も日常の通い慣れた道ですから事故は生じないのです。しかし、いったん自動車の運転者や歩行者が自分の思い込みで誤った行動をすると、決定的なダメージを生じ易くする道路と言えます。

工業団地にいくつかの大型特殊自動車を扱う会社がありますが、この狭い道路を大型車が走り抜けるのを見ると、運転士の方々の素晴らしい技術に一驚してしまいます。私ならば、すぐ道路端の家に突込んでしまうでしょう。しかしこの道路一杯に走る大型自動車による事故が少ないのは、走る際に異様な地響きをたてるために、他の自動車や人々に容易に危険を感知させるためと想われます。むしろ運行の静かな乗用車などの方が危険とも言えます。

さて解決策はどのようにしたら良いのでしょうか。やはり道路幅を広げ、見通しを良くすることが適切だと考えられます。それには或るお宅では完全に移転しなければなりません。各家庭の利害が相反する大問題でしょうが、協カー致して、今後町田さんのような犠牲者を出さないでいただきたいと思います。

市の方々も、はっきりとした取付道路のない工業団地の現状を良く考えて対処していただきたいと思います。

上武国道が出来るとかなり改善するとは思いますが、これも完成する迄には10年以上を要するでしょう。兎に角、現在ある道路を整備し、大多数の人々に利するような方向にもっていって戴けるよう祈っております。

                               (院長)