1991年
1月1日発行
No.24

               

     新年にあたっての雑感

新年おめでとうございます。

院内新聞は私にとっては時代を反映する記事や大きな社会的事変も、時には勝手に書いて残すには恰好なものです。皆様の投稿も歓迎いたします。

数年来、私たちは何ら心配のない平和な生活を享受して来ました。しかし昨年後半からイラクの突然のクェート侵攻により、世界中がゆさ振られる状態になりました。石油価格の上昇により諸物価の高騰がこの頃になって、じわじわと押し寄せて参りました。医院の経営にも少'なからず影響を与えています。

さて、11月30日、アメリカはイラクに対し、国連の決議案を基に1991年1月15日までにイラクがクェートより撤退しなければ攻撃を仕掛けると警告を与えました。年末になって老檜なフセインは人質を解放しました。これからはどのように推移して行くのでしょうか?

結局のところ、互いに腹を探り合いながら膠着状態が続くのではないでしょうか?とにかく、対岸で高見の見物をしている我々にとっては、たとえ騙し合いでも良い、戦争になるよりは平和的に解決して欲しいと考えています。戦争に突入すれば一層のエネルギー危機に直面することはわかっています。我が日本の政治家にもっとしっかりした対応をお願いしたいものです。

昭和ひと桁生まれの我々は幼少期に様々な物資の欠乏状態を経験し、過去の時代に戻ることを非常に恐れてはいますが、逆に経験を生かせば、どんな耐乏生活にも対応出来ることになります。現在の日本においては、エネルギー消費が太き過ぎる事は確かです。大量のゴミを排出したり、他国の森林破壊にまで手を伸ばしたり、国民一人一人が考える時が来ているのであろうと考えます。しかし、この所「無駄を排す」というエネルギー消費の反省が一方寄りになって来て、ともすれば医療費の圧縮にまで及ぶ危険があります。長い間苦労をしたお年寄りが報われるような社会が長く続くように、羊年に因んで、本年は是非世界平和が実現されますよう願っています。

                               (院長)