1994年
1月1日発行
No.42

               

     不況と平成六年度の医療の展望

平成五年度の前半より不況が日本全国を襲いました。医者は不況がなくてよいと患者さんから言われた事がしばしばありました。しかし政府から医療費削減のために、色々な制限を加えられ、医院経営が大変苦しくなっているのです。市中のほとんどの医院が・経営内容改善のために個人経営より医療法人に変えているのです。当院でも昨年より同調いたしました。

また、その他製薬業会よりの圧力も強まり、厚生省のおかしな指導も相まって、薬の値段が一気に上昇したのです。人件費は上昇するし、医業も皆様の会社と同様に不況業種になって来たのです。銀行も厳しく対応するようになって参りました。各々の病院、医院も対策に苦慮しているのが、実情であると思います。

新年になり明るい話題に転じようとは思いますが、経済が後退したと言っても私達が経験した感じでは、10年前よりは良いのではないかと思います。私が大学を卒業した頃に比すれば、問題なく素晴らしい生活が受けられるのです。米が不作と言っても・他の食品を利用すれば良いと考えられます。お互いに少ないものは分け合い、仕事も分けあい、辛抱して春を待ちたいと思います。

話は飛んで、医療費のことになりますが、本年は3月に色々な改訂が行われるようです。細かな事は見えて来ませんが、種々な制限が加えられ老人の方と言えどもかなりの負担を強いられるようになると考えられます。

開院時数年間はお年寄りの数は比較的少なかったのですが、次第に外来入院共にお年寄りの方々が増加しました。窓口支払いも当時に比して格段に増加しています。老人の方がこれから一層増加しますので、政府も次々に対策を考えています。

うわさによるとビタミン剤、湿布剤等は自己負担となり、外来で処方出来ない様になりそうです。入院費用のうち食事代は家庭にいても食事をするという簡単な理由で、入院患者さんの負担増加が決まるようです。現在当医院では通院入院共に、薬は当院で投薬を行っています。

保健所でもどの薬局でも調剤業務を行うよう指導しています。私の医院の近くに薬局があればよいのですが、院外処方箋を発行するとかえって皆様に不便を掛ける場合もあります。お申し出があれば院外処方箋を発行するように対応するつもりです。

(院長)