1994年
7月1日発行
No.45

               

     ストレス雑感

今はどなたでもストレスという言葉をご存じでしょう。我々の身体に悪影響を及ぼしそうな強い衝撃や刺激と解されます。このところ日本社会全体が我々に著しいストレスをあびせる状況を作り出しています。長引く不況、政治的混乱などもその一つです。6月に入っても依然、本年度の予算審議は行われず、予算とは関係のない議題が持ち出され、議論されています(この院内だよりを校正中、6月23日にようやく国会を通過する見通しとなりました。国民生活がどうなっているのか、議員諸氏はわかっているのでしょうか?

現在の政治に満足している訳ではないのですが、野党となった自民党にもアイソがっきます。細川前総理の1億円借入問題でも、似たようなことは保守系議員は誰もがしていたと思います。これからまともなことをしてくれるなら、過去のことは問わないと国民は考えているのに、与党のアゲ足ばかりとっているのは茶番劇です。社会党も昔のメンツばかりにこだわり、若い人には何の理解も得られていないのではないでしょうか。

毎日テレビや新聞をみていてストレスがたまる一方です。こんなストレスが蓄積すると精神的にも極めて悪影響が出ます。大脳にはノルアドレナリンという物質が異常に放出されます。次いでこの影響で、他の身体組織、例えば胃に及ぶと胃潰瘍を生じたりします。その他、自律神経系、内分泌系、免疫系などにも及び、長い時間をかけてじわじわと我々の身体を蝕む事もあり得ます。現代の我々は、様々なストレスにさらされていることが多く、それらをまともに一つ一つ受け入れていると体がもたなくなります。自分に都合のよいように解釈し、逆にストレスを良い刺激として、自分の向上のために転化する事も一法であると思います。

(院長)