1995年
9月1日発行
No.52

                

   ベータカロチンについて

昨年に引き続いて、暑い日がよく8月中にありました。体の疲れは如何でしょうか。遊び過ぎ、飲み過ぎ、暑さ負けによる疲労等、体は活性酸素による障害を受けた筈です。

以前書いたこともあるのですが、活性酸素には過酸化水素を含めて何種類もあります。通常我々の体はうまく適応しているのですが、これらの物質が体内で発生し、消去しきれないと病気の発生や老化の原因となります。

予防はどうしたらよいのでしょうか。一般的にはビタミンEに抗酸化剤として有効な働きが知られています。その他に食品として比較的容易にとれるものとしてベータカロチンがあります。これは有色野菜の中に多く含まれます。人参、ほうれん草、パセリ、カボチャなどに多く含まれます。その他、海草類にも多く含まれます。1日量として6r程とるのが理想だそうですが、これだけ摂取するには、人参中1/2本、カボチャ1/2個・ピーマン55個・海苔3枚等・大量に食べなければならず、非現実的、非経済的です。

要は多種類のものを食べ易く、軽く油炒めしたり、ゆでたりして容積を減らしてバランスをとることです。ベータカロチンは体内に入ってから、抗酸化剤として作用する以外にビタミンAに変化する効率が他のカロチンより良いといわれています。

ビタミンAは過剰にとると体外に排出されず、逆に悪影響を及ぼすこともありますが、ベータカロチンには体の中に蓄えられる性質があり、必要に応じ、ビタミンAに換えられたりします。

体内のベータカロチンは飲酒や喫煙により大量に減少するといわれています。また激しい運動や肉体労働でも減少します。癌の発生に、ベータカロチンが抑制的に働くと言われています。ファーストフードやインスタント食品を摂りすぎると、折角伸びた平均寿命を縮める可能性があります。

(院長)