1995年
11月1日発行
No.53

                

   父の思い出について

昭和50年開業、本年で20年を経ました。当時、父は丈夫で庭の草むしり、雑用などを一手に引き受けてくれました。菊造りも好きで、愛好家の指導を受けて、一生懸命でした。

玄関や外来受付付近を自分で予定をたて、季節ごとに自分の作製した鉢を置いていました。必ずしも良い出来映えとは言えなかったのですが、それを契機として、近所のお年寄りと仲良く話すこともありました。お年寄りの方々も、次第に欠け、父と同年代の方はほとんど来院しなくなりました。代って新たに70歳になられた方などが来院するようになり、世代交代も進んでいます。本年8月21日、2年余の闘病生活の後、満90歳で父・與四平は永眠しました。通夜、葬儀にあたり、多くの皆様のご弔問を受け深く感謝しております。自宅で行えば、近隣の方々には便利で、お年寄りの方々の弔問も受けることが出来たのですが、失礼致しました。

父は赤城村の津久田の農家に生れ、成年に達してから警察官となり、30余年勤務し退職しております。捜査方面が性に合ったようで、困難な事件をいくつも解決に導いたようでした。子供達は残念ながら一人も警察官にならなかったのですが、粘り強い性格はよく受け継がれ、孫達にも達しています。重ねて申すことになりますが、葬儀に当り、最も家族が感謝したのは警察官の同門会である警友会の方々が多数お出でになったことでした。

私の患者さんでもある山田さんには警友会員として温かい弔辞をいただきました。私の平素お世話になっている医師会員の皆様、弟達がお世話になっている学校、教職関係の方、薬業や医療事業所関係の方、ほか多数の方々のご参会を戴き、家族親戚一同深く感謝しています。

今10月初旬、医院の広い庭は草がよく生い茂り、雑草の一つコスモスが花盛りです。父の代りに草むしりをしたり、植木の手入れをする時間が増えました。

(院長)