1997年
9月1日発行
No.64

                

   産業医

診察室に日本医師会認定産業医の免許状がかけられています。15年位無資格のまま産業医活動を続けて来ました。いろいろな事業所に勤務する労働者の方々が安心して働ける作業環境を維持出来るよう、健康や精神を損なわないように産業医は努めなければなりません。

100人以上の労働者が在席する事業所には専属の産業医を置くことになっていました。それでは不公平なため次第に改善され、50人以上の事業所と50人以下の事業所とに区分はされるものの、国民が一定の安全な環境で労働出来るようになりました。事業主は労働基準局、監督署、医師会と連携を保って来ましたが、今度群馬産業保健推進センターが、群馬メディカルセンター内に設置されました。これは50人以上の事業主とその労働者のために、労働衛生の相談や産業保健活動に関与します。50人以下の事業所は地域医師会の協力で、地域産業保健センターが設置されることになりました。前橋市には未だ開設されていませんが、間もなくその活動を開始する事になると思われます。

働く人々も自ら自分の健康を守り、日々を安全無事に過せるよう努力しなければならない時代になりました。産業医は働く人の為の援助活動をしなければならない訳です。何か疑問の点、労働と身体の不調に対し関連がありそうな時には当院でも相談に応じたいと考えています。

当院ではその他指定医院としても活動して来ました。労働環が劣悪とは言えないまでも、土木、建設、金属加工等で働く場合、気のゆるみ、不注意による事故が多数認められます。時には救急車で来院し死亡を確認しただけの場合もありました。小さな事故を含めれば、交通事故より多いという統計もあります。

最近は休暇には遊び過ぎ、アルコール多飲、仕事よりレジャーが優先する傾向にありますが、これには恐ろしい落とし穴が待っています。休暇は仕事の意欲を増進させるのが目的である事を忘れないで下さい。

(院長)