1999年
1月1日発行
No.72

          

介護保険について

新年になり、私達医療にたずさわる者にとって、来年には全く新しいシステム「介護保険」の導入が身近にせまり、心も身も引きしめていかなければならなくなりました。

私も本年で65歳となります。高齢化社会に嫌でも自分自ら立ち向かわねばなりません。2000年には280万人、2025年には520万人の要介護高齢者が存在するといわれます。介護保険は今までの保険診療と異なった視点で、老人の介護の問題を解決するために考えられたものです。現在の医療保険は診療側に利する面もあり、また、これが医療の発展進歩に大きく寄与しているとも考えられますが、介護保険の目的は利用者本位の制度とされるものの、一部の運営に関与する人に利する危険性は残っています。

この保険事業を行うためには相当な金額を要することになります。さまざまな財源手当てが考えられていますが、重要なのは国民の負担金がなければ運営不可能だということです。現在の不況を脱しない限り、ゴールドプランにみるような国庫負担は不可能になるでしょう。

要介護資格取得可能になった人は自らの意思に基いて、利用出来るサービスや恩恵を選択出来ます。しかしその人にとって何が正当なサービスか、必要とされる支援かは専門員(ケアマネジャー)が調査することになりました。要介護の方々の生活、健康、家族の様子まで詳細に知り得る立場にあり、非常に重要な役割を果たさなくてはなりません。

群馬県でも、介護支援専門員(ケアマネジャー)の試験が昨年10月11日に行われました。当院では奈良さんが受験し、見事合格致しました。難関を突破した事に深く敬意を表したいと思います。この後、実務研修などを行い、正式なケアマネジャーになる訳ですが、当院でも将来この方面に関与する可能性もあり、奈良さんに大いに期待しております。

私自身は介護保険金は支払っても、お世話にならないように、精神健康面において現在の状態を維持していきたいと考えています。

(院長)