1999年
11月1日発行
No.77

          

介護保険について その1


来年4月より、いよいよ介護保険法が施行されることになりました。当院でも年々お年寄りの方々が増加する傾向にあり、介護保険にかかわる方々は少なからずおられます。10月1日より、来年から保険適用となるための介護認定の作業が始まりました。沢山の方々が一度に認定書類を提出した場合、混乱が激しくなります。前橋市では誕生月で分け、登録日を分散することになりました。あわてなくても大丈夫です。

今回の認定作業の特徴は、詳しい調査が専門の調査員によって行われ、それが点数となるように集計されます。この点数を参考として、介護を受ける場合6段階のグループに分けられます。不公平にならないよう、点数に現われない状態を医師の意見書で補う役目もあります。

これらの複雑な過程を経るために、患者さんの協力、家族の協力がとても必要です。患者さんや家族にとって不愉快なことや悩んでいることを詳しく聞かれます。また患者さんにとって不必要と思われることも聞かれるかも知れません。面倒がらずに、調査員の方々に接して戴きたいと思、います。

これらの基礎資料は医師、看護婦、福祉部門の出身者より構成された審査委員会で公平に審議された上で、決定されます。今度の制度で問題なのは、家庭で寝たきり状態となり、言葉を発せず、感情も表出困難となった方は必ずしも介護度が高いと判定されないことです。90歳を越えても、頭がしっかりして自分のことは全て自ら処理出来る方は自立していると判定され、介護を受ける資格がないと判定されます。保険料を払い続けても、少しも恩恵を受けない方々が存在することになります。政府や市町村もこれらの方々を救済するようなことを考慮はしているようです。あまりに行政側も準備しなくてはならない事が多くて大変です。良い制度にするには、これから介護を受ける方々がどんどん自分の要望を出し、介護をする事業者の利益よりも皆様の利益を優先させるようにする事です。

(院長)