2001年
1月1日発行
No.84
片頭痛 その2

 一昨年7月号に片頭痛について記載しました。その後1年余りの間に、単なる頭痛と想われた人が脳腫瘍であったり、くも腹下出血であったりしたのです。頭痛を訴えて受診する方は多数居られますが、90%以上は正常で何も心配する必要のない方々でした。ほんの少数の方々が運の悪い所見を示しました。
 当初何の異常も示さないので放置していたところ、4〜5ヵ月を経てガンコな頭痛が続行しました。薬物も無効となりました。改めて検査をしたところ異常が発見されています。患者さんもご自分の異常には注意して、納得出来ない場合は医師に申し出て、再度検査をする必要があります。大部分の方は、頭痛に対して持病と考えあきらめの境地にいますが、服薬して快適な生活を送るようにすることが理想です。一昨年より販売されたミグシス、テラナス(塩酸ロメリジン)は朝・晩2回投与でもかなり有効な症例がありました。また他の鎮痛剤との併用で、頭痛がかなり耐えられるようになっています。異常な頭痛のために嘔気を伴ったりして、歩行や生活が困難になった方にはイミグラン(コハク酸スマトリブタン)という注射薬が発売されました。一部の方には非常に有効でした。弘め所では以前よりジアゼパムの注射を用いていましたが、注射をすると一時的な睡眠作用や脱力感のため、しばらく休んでいただくことが多かったのですが、この注射ではこのような副作用はありませんでした。欠点といえば非常に高価なことが欠点でした。平成13年にはこの内服薬も発売される予定になっています。
 治療も少しずつ進歩しています。これからも期待が持てると思います。頭痛に対しては当院のホームページに詳細が記載してあります。http://med.wind.ne.jp/kanotada/ご参照下されば幸いです。
                                   (院長)