2002年
9月1日発行
No.94
自殺について その2

  新聞記事によると、昨年の全国の自殺者は約3万1千人で、経済苦や生活苦とみられる人は7千人に及びました。自殺者の年齢は40歳〜50歳代が40%も占めています。
 自殺の動機は「健康問題」が最も多く、1万5千人となり、第3位は「家族問題」で2千6百人に達しています。
 健康問題は日々私も気を使っていますが、自分で命を絶つ方は、すでに体に故障のある方で、社会の中で役割を果たせない状態になっていることを気にしすぎていると思われます。
 不治の病を持っておられ、これが悪化したり、苦しみが耐えられない等の切実な悩みもあります。私達医師一般は患者さんの悩みや、何を考えておられるか見過ごしてしまう傾向があります。悩みを持つ方は一人で問題を抱え込まないで、医師に相談される事をお推めします。何らかの解決の糸口が見つかるものと考えております。

何でも相談できる家族医を持ちましょう
 また最近は過労死の問題も指摘されています。この中には不幸にして自殺されている方もあります。以前は労働基準局も過労死の問題を避けて参りました。しかし最近は過労による疾病について、労働基準局にも相談の窓口が出来ています。従って、例え自殺であっても、これが仕事上の過労、精神的悩みが原因であるならば、よく調査されて、問題を解決するようお推め致します。
 現在の不況の現状では、医療費は更に抑制され、患者さんの負担も増加し、精神的に不安定な方の受診も困難になる状況が予想されます。しかし一人で悩みを抱えていても解決できません。精神科の先生に限らず、気軽に相談出来る、家庭医的な医師を決められるようお推め致します。
(院長)