2003年
1月1日発行
No.96
老人医療費改定 その後・・・

☆窓口負担
 昨年10月の医療費改定で、お年寄りの方々に大変なご迷惑がかかりました。先ず、家庭の事情により、窓口支払いが1割と2割に分かれたことです。私の所でも5〜6人の方が2割となっています。収入が多少多いだけで、無駄遣いが出来る訳ではなく、お気の毒です、と言うしかありません。
 また10月1日以降に70歳になられた方は、今までのような老人医療の恩恵はなく、75歳以上に持ち越されました。運悪く大病されると大変です。脳卒中、高血圧症、糖尿病などは、本人の病気に対する認識と生活態度、正しい治療方針に従うだけで、ある程度病気をコントロールでき、寿命を伸ばすことが出来ますが、癌や遺伝子で決められたりして発生する病気になると困ります。大勢の方が手遅れになる可能性があります。
 大多数(90%以上)の方は1割負担でしたが、受診1回の窓口負担は前回の850円に達せず、500円〜700円位の負担になりました。

☆在宅酸素や検査も
 しかし大変なことに、在宅酸素療法を行なっている患者さんの負担は850円から10倍以上に増加しました。このため在宅酸素療法を中止する患者さんが出現しました。本当はこのような運の悪い人がいないような制度でありたいものです。
 さて、慢性疾患で通院中の老人の方の支払いは当院では500〜700円位ですが、何か検査をするとこれに追加料金が加わります。一般的な血液検査で500円位、小生の所で行なっているMRIという頭部の断層撮影では2000円位の負担増となります。一年間を通して考えると今までと大差ない負担と考えられます。外来診療では調査にどの位の負担を要するか、出来るだけ納得されるように説明しています。血液その他の検査は、市や町、村の無料検診を上手に活用するように致しましょう。 どこの診療機関も患者さんの負担についていろいろと考慮しています。気楽に金額に付いて相談をするように致しましょう。
(院長)