第56回「鼻の日」
趣 旨 日本耳鼻咽喉科学会では、昭和36年以来毎年8月7日を「鼻の日」と制
定して鼻疾患に対する啓蒙を行っており、本年8月7日で第56回「鼻の日」
を迎えることになりました。
鼻は上気道の入り口にあって呼吸および嗅覚機能を行う重要な器官であり
ます。頻度の多い鼻の病気には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、肥
厚性鼻炎、鼻中隔弯曲症などがあり、多くの人々がこのような鼻の病気にか
かって悩んでいます。このうち、慢性副鼻腔炎は、近年軽症化の傾向がある
も依然、頻度としては多い疾患です。しかし、内視鏡手術の進歩により治癒
率が向上しています。一方、アレルギー性鼻炎は、近年さらに頻度が上昇し
ており、国民病とまでいわれるようになってきました。それに伴い、アレル
ギー性副鼻腔炎の増加傾向も新たな問題です。また、嗅覚障害は生活の質
(QOL)と関連して大きな問題でありますが、まだまだ社会的認知が十分でな
い状況です。
鼻が悪いと、中耳、咽喉頭、肺などの病気にかかりやすいばかりではなく、
学業の成績や仕事の能率に悪い影響があることが指摘されています。また「い
びき」をかいたり「口呼吸」をするようになり、睡眠時無呼吸症候群との関連
も注目されてきております。
このような鼻の病気に対する広報活動を行うのが「鼻の日」の趣旨であり
ます。