日医特定健康診査システムを便利に活用するためのODBC接続データベース操作

(2) データチェック


特定健診の結果入力は項目間の依存関係があちこちにあったりして、漏れや不整合といったミスを招きやすい。
目視でのチェックは意外と見落としが多く、コンピュータによるチェックが是非とも必要と思います。

実装したチェック項目は以下の通り。

1)下記項目の記入漏れをチェックする
・受診券整理番号   ・受診券有効期限   ・医師の診断   ・医師名 
・既往歴が有りの場合の具体的な既往歴  ・自覚症状有りの場合の自覚症状所見 
・他覚症状有りの場合の他覚症状所見    ・貧血検査実施の場合の実施理由 
・心電図検査実施の場合の実施理由     ・眼底検査実施の場合の実施理由 
・心電図所見有りの場合の心電図所見 
・詳細な項目の実施理由に記載があるのに具体的な既往歴、自覚症状所見、他覚症状所見のいずれにも記載がない(生活機能検査として実施の場合を除く)

2)生活機能評価実施例では下記項目の記入漏れもチェックする
・視診(口腔内含む)  ・打聴診  ・触診(関節可動域含む)

3)特定高齢者候補者では下記項目の記入漏れをチェックする
(国保連合会のシステムにおける平成21年2月締切分よりのチェック仕様変更に対応。基本チェックリストの判定1〜判定4のいずれかに該当する者を特定高齢者候補者とみなす)
・血清アルブミン  ・貧血検査  ・心電図  ・反復唾液嚥下テスト
・医師の診断(生活機能評価)  ・判断した医師の氏名(生活機能評価)

4)受診券の有効期限切れをチェックする

*1)2)3)のチェックは当該項目にデータが記録されているか判定するものであって、記録されている内容が妥当なものかどうかをチェックしているわけではありません。


日特では健診結果データが"T_KENSAKEKA_TOKUTEI"、"T_KENSAKEKA_SONOTA"の二つのテーブルに分けて記録されています。
"T_KENSAKEKA_TOKUTEI"テーブルには健診実施年月日、健診パターンなどの情報が記録され、1受診について1レコード、"T_KENSAKEKA_SONOTA"テーブルには実際の検査や問診等の結果が記録されていて、1項目につき1レコード、すなわち前者対後者は1対多の対応になっています。



まず年月を指定して当該月の実施分を"T_KENSAKEKA_TOKUTEI"テーブルから抽出します。
(指定月をMMではなくMMDDとすれば年月日での指定、指定月を空白にしておけば年での指定になります。)

SELECT "T_KENSAKEKA_TOKUTEI".*, "T_KOJIN"."NAME","T_KOJIN"."JYUSHIN_SEIRI_NO", "T_KOJIN"."YUKOU_KIGEN","T_KOJIN"."SEX"
FROM "T_KENSAKEKA_TOKUTEI", "T_KOJIN"
WHERE "T_KENSAKEKA_TOKUTEI"."UKETUKE_ID" = "T_KOJIN"."UKETUKE_ID"
AND "T_KENSAKEKA_TOKUTEI"."KENSA_NENGAPI" LIKE '
200812%'
ORDER BY "T_KENSAKEKA_TOKUTEI"."KENSA_NENGAPI"


2008年12月実施分の15件が抽出されました。


個別チェック
リストのうちの現在選択されている受診者の検査結果を、受付IDをキーとして"T_KENSAKEKA_SONOTA"テーブルからインポートします。

SELECT "T_KENSAKEKA_SONOTA".*, "T_KOJIN"."NAME", "T_KOJIN"."KANANAME"
FROM "T_KENSAKEKA_SONOTA", "T_KOJIN"
WHERE "T_KENSAKEKA_SONOTA"."UKETUKE_ID" =
受付ID AND "T_KOJIN"."UKETUKE_ID" = 受付ID

下図の例では100個の項目がインポートされました。



"T_KENSAKEKA_SONOTA"のデータをインポートしたテーブルには、上図の画面上には表示されていませんが、チェック項目に対応したフラグを立てる計算フィールドと各フラグの合計値を求める集計フィールドを設けてあり、
それらを"T_KENSAKEKA_TOKUTEI"テーブルに返し、これをもとにして指摘事項の文言を生成します。


一括チェック
上述した個別処理をすべての受診者に対して順次ループ処理にてチェックします。



チェックの結果が問題なしならO.K. 、問題ありの場合には指摘事項を表示します。

下図はチェックの結果の印刷出力例


データ表示のウィンドウで記入漏れの箇所に結果値を入力し、下記のSQLを実行すると、日特のデータに修正を反映させることができます。

UPDATE "T_KENSAKEKA_SONOTA" SET "KEKA_TI" =
'結果値'
WHERE "KOUMOKU_CD" =
'項目コード' AND "UKETUKE_ID" = '受付ID'



修正後に再度個別チェックを行えば、修正した結果を確認することができます。



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