小島先生からの水質調査結果に関する評価と考え方のアドバイス(平成20年4月15日)西野記

1)水質のCODについて
   検体1のCOD10は、環境基準から8以上が「不快」と評価される値であることから、問題になる
   その他の検体は、COD3〜4であり、問題とはならない値である。

2)赤水について
   検査で検出している鉄は、鉄の2価イオンと3価イオン。
   これは水に溶けている形なので、赤い色の原因物質ではない。
   赤い色は酸化鉄や水酸化鉄である。

   鉄管の錆が水溜りを真っ赤にするほど溶け出すことはまず考えられない。
   鉄管は、酸に触れるとか白金などの金属に接触するなどのことがないと、それほど錆びることはない。
   また、土の中では空気中ほど酸素にふれないので錆びにくい。

   土に鉄分があり、鉄細菌がいて酸素の多いところで鉄イオンを酸化させると「赤水」という現象が起きる。
   鉄や酸化第1鉄は黒、酸化第2鉄は赤、水酸化鉄は赤褐色。菌が酸素を使って酸化鉄を作る。
   昔から、赤水が出るという土地柄が知られている。
   北海道など石炭の炭鉱近くで川が真っ赤になるほどの赤水が見られる。
   観音山の地質は昔、亜炭鉱もあったことなどから、鉄細菌が繁殖しやすい条件として、鉄やマンガンが
  多い地質なのではないか。
   もともと、鉄細菌がいる土地柄で、たまたま、滲み出した水が水溜りとなって空気に触れやすく、鉄細菌が
  繁殖しやすい条件がそろっ たと考えられる。鉄細菌は好気性菌。
   鉄細菌によってつくられた酸化鉄や水酸化鉄は粒子となって下流に流れる。

   赤水は「赤潮」と言われるものとは別。
   赤潮はウログレナという藻が異常繁殖したもので、血のような色が水面を覆う現象。

*先生から「日本の水道生物ー写真と解説」日本水道協会出版の本を見せていただいた。
     これによると、鉄細菌は赤水、金気臭、鉄管閉塞、スライム生成による機器の故障などの問題を起こす
     ことがあるようです。
      また、井戸や地下水に存在して問題になることもあるようです。
       「水路や湧き水の流れているところで、綿上のやわらかい感じの黄褐色の沈殿物があれば、
        それは鉄細菌の集落である。」と。
      まさに、本に掲載されている写真はカッパピアの赤水とそっくりでした。
      また、鉄細菌には何種類かありますが、西野が顕微鏡で見たものは「レプトスリックス オクラケア」として
     説明されているものにそっくりでした。
       この菌は多少有機物があると生育が良いが、他の鉄細菌は有機物を必要としないものが多いことから、
     赤水自体は水の汚さを示す指標ではないことが分かりました。

3)PHについて
   雨水は空気中の二酸化炭素が溶け込んでPH6くらいになる。
   土壌はアルカリなので、池の水がPH7.5というのは問題ではない。

4)水の浄化について
   原因となる汚染源対策が第一
   商店街からの下水を下流の下水管本管につなぐ。それは、蛇腹のパイプで繋いだって良い。
   または、合同浄化槽を設置して浄化してから流す。

   希釈ということも浄化の一つ。

   湿地は水質浄化力があるので、池を湿地と小川にするという西野の考えは良いかもしれない。
   西野の「小川を蛇行させる」というアイディアに対して「増水時は流れが変わる可能性はある」とのことでした。

   生態系を豊かにするためには池を再生することも大切で有意義だ。
   ただ、鳥が来ると池は汚れる。また、堆積物ができるので定期的な作業が必要となる。
   安全管理の問題も出てくるだろう。とのアドバイスでした。
 

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